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鬼畜眼鏡(本松、克御、御克、克克)と逆転裁判(御成、矢冥etc)を中心に活動するSSと絵サイトです。
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by 氷魚 - 2009.05.04,Mon
私 が 一 番 恥 ず か し い





↓メガミドメガ エロなし かなり恥ずかしい二人の話







 

@時すでに遅し


「暖かくなってきましたねぇ、御堂さん」
「そうですね」

冷房をつけるほどでもないが、温暖化が進んでいる初夏の暑さは汗を流すには十分だった。
広いオフィスでキーボードをカタカタと軽快に鳴らす佐伯の額にもうっすらと汗が滲んでいた。

「社長、少しは休んだらどうですか。もう昼ですよ」
「あぁ・・・もうそんな時間か。待っててください、もう少しで一段落つきますから」

オフィスには数人の社員が手にパンやら軽食やらを持ち、デスクと向き合い葛藤していた。
(前々から思っていたが熱心だな・・・)
少し虚空を見つめてから、自分も佐伯を待っている間に進めてしまおうと、デスクの資料に並べられたややこしい数値を眺めた。
(さすがは佐伯だな・・・ミスが無い)
チェックをするだけで佐伯の資料などの完璧さが浮き彫りになって目に入ってくる。
完膚なきまでに作り上げられた資料は、態々私がチェックなどする必要もないんじゃないかと心底思った。
横目で佐伯の方を見ると、キーボードを叩く手を止めマウスをするすると緩やかに動かしている。
視線に気づいたのか佐伯がこちらを向いて、ふっと微笑んだ
もともと綺麗な顔立ちの佐伯は、男でも見惚れるような笑みを浮かべる。
それがこの傲慢な男が女子社員から人気を受ける秘密なんだろうと、一人で納得した。
しばらく見惚れていると、すっと佐伯が立ち上がった。

「終わりました。すみません、御堂さん」
「いえ・・・。何か食べに行きますか?」

佐伯はあぁ、と短い返事をしてオフィスを離れた。

 

「やっぱり、御堂さんの敬語には慣れませんね」
「君だって私に対して敬語を使うじゃないか。全く、社長なんだからもっと威厳を持て。」

それもそうだ、と談笑しながら佐伯はコーヒーを啜る。
そんな仕草にも見惚れる。

「?どうしました、御堂さん?・・・見惚れたんですか」
「あ・・・まぁ。君はかなり美人だからな・・・」
「・・・・そうですか」

素直に本心を述べるとニヤニヤと歪んでいた佐伯の口元がすっと降り、視線が合わなくなった。
(なんだ、可愛くない)
少しは面白い反応を見せてくれたっていいのではないか、と無意味に拗ねる。

「・・・言われ慣れてないんで。そういうの」
「何故だ?君は人気もあるし、普段十分に言われているだろう」
「だから、御堂さんに言われると思ってなかったんですよ。悪いですか」

悪態をつきながらもみるみる内に佐伯の頬は染まる。
(な・・・っ、可愛いじゃないか・・・!)
もっとその顔を見ていたくて、思わず身を乗り出して顔を背けようとする佐伯の顔を掴んだ。

「いたっ、なにするんですか御堂さん」
「なんだ、君は結構可愛い所もあるじゃないか!」
「そんな嬉しそうに笑わないで下さいよっ、ちょっ、マジで痛い」

年甲斐もなくぎゃあぎゃあと騒いでいたら、周りの客がクスクスと笑い始めた。
我に返ってとっさに佐伯の顔から手を離し席を立つと、佐伯も席を立った。
会計を済まして店の外へ出ると、少し強くなった日差しが視界をふさいだ。

「全く、あんたのせいだぞ」
「すまない・・・悪かった」

素直に謝罪の意を表し、どちらともなく歩き始めた。
(佐伯ははっきりと褒められたりするのに弱いのか?)
試しに誰が聞いても照れるような、下手したら引くような言葉を力強く述べてみた。

「・・・君は、花に例えたら薔薇だな。美しいのに棘があって、中々触れない」

前言撤回。言ったこちらが恥ずかしい。流石にこれは佐伯も引くだろう・・・・

え。

「・・やめてくださいよ・・・」

(いやいやいや。そこで頬を染めるのはおかしいだろう!)
日に照らされた佐伯の顔が赤く変色していく。
しかも困った事に、この状況を楽しんでいるらしい。・・・私が。
何か言ってみようか。

「そういえばこの前、藤田が君の笑顔を見た事が無いと言っていたな。まぁ、君の笑顔は私だけのモノなのだから当然だ。君は、ずっと私のそばで笑っているといい。それが私の幸せなのだからな」
「み、御堂さん・・・こんな・・・白昼堂々と・・・」
「恥ずかしいのか?ふふ、君だって場所関係なく私を求めてくるじゃないか。今更だな、ほら、もっと見せつけてしまおう」
「・・・っ」

(いい眺めだ)
佐伯は顔を真っ赤にして俯いている。
こんな姿は滅多に見ない。喜びと嬉しさに浸っていると、

「・・・・・御堂さん?」
「ん?なんだ?」
「そんなに俺が愛しいんですか?」

聞こえる。
喉の奥で抑えている佐伯がくつくつと笑う声。
やりすぎた、と思った頃にはもう遅かった。
火照っていたはずの佐伯の頬は色が戻り、
恥ずかしさに悶えていたはずの佐伯の声色は、
いつもの不遜で傲慢そうな声に―――――――――。

「ゎっ、な、何をする!離せっ」

突然佐伯に腕を掴まれ、裏路地へ連れ込まれる。
(まずい、明らかに怒っている・・)
覚悟を決め体勢を整え佐伯についていく。
動きが軽くなった事に気づき佐伯は視線を少しだけこちらに向けた。

「さ、佐伯・・・すまなかった。その・・・調子に乗ってしまって」
「嘘だったんですか?」
「いや、思った事を口にしたまでだ。・・・ただ、君の反応を見たくて」

佐伯はますます不機嫌そうに顔を歪める。
人通りが全くない涼しげな場所。
薄い金色の佐伯の髪の毛が風に打たれゆらゆらと揺れていた。

「・・・俺を怒らせた責任は取ってもらいますよ?」
「う・・・か、覚悟はしている」
「本当は・・・怒ってはいないが、な」
「?・・・何か言ったか」
「いえ、何も?」

そして、また歩き始める。
怪訝そうな顔で見つめると、佐伯は打って変わってさも楽しそうな表情を浮かべる。
不吉な予感を察知しながらも、自身の失態を反省した。
(私とした事が・・・)
【お仕置き】の内容の想像は何となくついていた。
・・・どうせ性的な事だろうな・・・。
うなだれていると、不意に佐伯がこちらを向いた。

「可愛いですよ、御堂さん」
「・・・は?」
「あなたは俺を薔薇に例えましたが、あなたを花に例えたらガーベラですね」
「知ってますか?ガーベラの花言葉」
「・・・・?・・!究極の愛・・・崇高美・・・か?」
「そうです」

そう言って佐伯はにっこりと気味の悪い笑みを浮かべた。

「向日葵は崇拝、紅花は包容力や熱狂・・・あなたにはどの花も似合う」
「や、やめろ佐伯・・・男を花に例えるなど・・・・」

飄々と恥ずかしい言葉を口にする佐伯を制止し、顔をそらす。

「・・・あぁ、今の御堂さんは・・・林檎ですね」
「真赤だからとでも言うつもりか!」
「いえ・・・御堂さん、林檎の花言葉は?」

ニヤニヤと口角を上げ佐伯が問う。
すでに恥ずかしさで頭がパンクしそうな私に、そんな事を考える余裕はなかった。

「わ、からないっ!もういいだろう!佐伯・・・」
「簡単ですよ?林檎の花言葉は・・・・」

私は悟った。
今日のお仕置きは、耳が溶けるほど甘い言葉を囁き続けられる、という事なのだと。

――我慢できそうに、ない。

同時に佐伯も同じことを考えていた事には気付かずに、熱い頬を抑えて私たちは会社へと足を踏み入れた。

林檎の花言葉は、

 


・・・誘惑。

 

 





いっぺん死んできます(^q^)




 

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プロフィール
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氷魚
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女性
職業:
ぐーたら会社員
趣味:
お絵かき・らくがき・言葉遊び
自己紹介:
↑眼鏡っぽいスーツが無かったorz

氷魚って書いて「ひお」
一体あと何回改名すれば気が済むの!
土日はお休み。
割とマイナーCP萌え。
最近は鬼畜眼鏡の松浦と眼鏡受けにハァハァ
とりあえず栄口は俺の嫁。

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